Minamoca Lab. Posts

2019年2月26日 / Biotech

昨年12月、厚生労働省調査会は「ゲノム編集」の技術を使った食品の取り扱いに対する方針を発表しました。その内容は「新しい遺伝子を組み込んでいないものは規制しない」というもの。近い将来、規制対象にならないゲノム編集食品を、私たちも口にするようになるかもしれません。 とはいえ、食品の遺伝子をいじることに抵…

2019年1月20日 / Research

お菓子屋さんや食品売り場では、顧客の食欲を喚起し、購買を促進させるために、店舗空間にわざと「香り」をつけることがある。人は、ある食べ物の香りを嗅ぐと、その食品が食べたくなることがあるためだ。 確かに、コーヒーショップから漂うコーヒーの香りを嗅ぐと、自分もコーヒーを飲みたいと思うことがある。職場や学校…

2018年12月12日 / Research

あなたの周りには、月経が近づくと人格が変わったかのように感情的になる女性がいないだろうか。月経前は、ホルモンバランスの変化が原因で、身体だけでなく、憂鬱になりやすい・イライラしやすいといった気分の変化が生じることがある。 月経前の気分変動は「月経前不快気分障害(PMDD)」と呼ばれており、実は、筆者…

2018年11月13日 / Neurogastronomy

当サイト「Minamoca Lab.」の運営者である大嶋絵理奈は、「ニューロガストロノミー研究家」を名乗っている。ニューロガストロノミーとは、直訳すると「神経美食学」であり、食品の科学研究の一分野である。しかし、ニューロガストロノミーは、まだ生まれたばかりの歴史の浅い分野であることから、多くの人にと…

2018年10月10日 / Research

消費者のカロリーの摂りすぎを防ぐ方法として、メニューにカロリーを明記する方法がある。飲み物として気軽に頼んでいるスタバの「フラペチーノ」も、実は軽食一食分のカロリーがあるとあらかじめ分かっていれば、オーダーを控えたりサイズを小さくしたりする人もいるだろう。 しかし、実はカロリー表示の位置によって、商…

2018年10月8日 / Neurogastronomy

今年8月に筑波大学が発表した報告によれば、大学生は「飲み放題」のときにアルコール摂取量が通常の1.7〜1.8倍に増えることが分かった。人はなぜ、飲み放題ではつい飲みすぎてしまうのだろうか。その理由を、「脳」の視点から考察してみたい。 「飲み放題」が与える影響(実験結果) まずは、引用元の研究内容を簡…

2018年10月8日 / Neurogastronomy

人の満腹感は、生理学的には「胃のふくらみ」と「血糖値の上昇」のふたつの要素で決まると言われている。しかし、気温や照明、誰と一緒に食べるか、どんな食器で食べるかなど、満腹感は生理学的な要素以外によっても変化する。 中でも、五感やその人の認識の仕方によって変わる満腹感のことを、筆者は「錯覚満腹感」と呼ん…

2018年10月8日 / Research

腸は「第二の脳」と呼ばれることがある。実際に、腸と脳は密接にやりとりをしていることが、近年明らかになってきている。特に、感情のコントロールや精神の安定に関わる物質である「セロトニン」の9割は、腸で作られていると言われている。 2018年8月に学術誌『PLOS ONE』に掲載された論文によれば、人の腸…

2018年10月8日 / Neurogastronomy

どんなに美味しい料理を食べても、その味をいつまでも記憶しておくことは難しい。食べ物の味を思い出そうとしても、思い浮かんでくるのは、食事のシチュエーションや、食事中に起こった何らかの”体験”など、一部の情報だけではないだろうか。 その時確かに美味しいと感動した料理を思い出せない…

2018年10月8日 / Neurogastronomy

「一人の時は少量しか食べられないのに、誰かと一緒に食べる時にはいつもより多く食べられる。」あなたは、こんな経験をしたことがないだろうか。 人の満腹感はいつも同じなわけではない。食事の見た目や食事中の環境が、満腹感を変化させるのだ。満腹感を早めに感じることができれば、食べ過ぎを防ぐことができるかもしれ…